医療法人真正会 川村小児科 kawamura children's clinic

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供の健やかな成長のために成長曲線を記録して

 子どもの背が低い・背が高いというのは、個性の一つ。でも身長の変化の中には、病気が潜んでいることもあるのだそう。川村正彦先生と星野真貴子先生に、子どもの健やかな成長を見守るためのポイントについて、お話を聞きました。

大切なことは睡眠・栄養・運動

 この春に入園・入学を迎えられたお子さんも多いと思いますが、生活のリズムが乱れがちになりますので、家庭で気をつけてあげてください。
子どもの健やかな成長のためには、食事・栄養が大切。骨の成長に必要なカルシウムやたんぱく質を始め、栄養が偏らないようバランスよく食べましょう。当院でも管理栄養士による食生活のチェック&アドバイスを取り入れていて、食事メニューの参考にしてもらっています。好き嫌いなく食べるように、メニューの工夫も必要ですね。

 身体を動かして遊ぶことも大切です。現代の子どもたちは塾や習い事に忙しくて、なかなか外で元気よく遊ぶことが難しいようですが、丈夫な骨作りのためにも、運動は欠かせません。
それから、睡眠も重要なんですよ。身長を伸ばすホルモンとして知られている成長ホルモンは、夜寝ている間にたくさん出ますので、夜ふかしをせず早く寝ること。できれば、夜10時には寝るように心がけましょう。「寝る子は育つ」という言葉がありますが、これは正解です。

身長と体重のグラフ、成長曲線

 子どもは、乳幼児健診や健康診断などで、定期的に身長と体重を測定しています。身長と体重の数値は、子どもの成長を見るためにとても参考になります。しかし、数字だけを見ていてもその変化に気づきにくいので、私たち小児科医は身長・体重の数値をグラフに記録することをお勧めしています。

 このグラフは、「成長曲線」といい、子どもの標準的な成長をグラフで表したものです。母子手帳にも載っているのでご存知の方も多いと思います。グラフにはいくつかの線がありますが、平均と書いてある線をはさんでプラス2SDとマイナス2SDの間が、標準的な成長になります。

今までに測定した身長・体重を、成長曲線に記録してみましょう。記録する間隔は半年に1回くらいのペースで十分です。記入した点と点を線で結んでみると、成長の経過が一目でわかります。点ではなく線で子どもの成長を見てほしいですね。男女別標準成長曲線は、小児科でもらうか、インターネットからもダウンロードできます。

1年間にどれくらい伸びているか、そして成長曲線のパターンに注目

 子どもは成長して当たりまえ、1年間にどれくらい身長が伸びたのかも気をつけて見てください。学童期であれば、平均6cmくらいは伸びますので、1年間の伸びが5cmを下回っているようであれば、注意が必要です。
そして、成長曲線の変化のパターンによっては、病気が隠れていることもあるので、標準の線からそれていく場合は気をつけて。

プラス2SDとマイナス2SDの間の曲線であっても、標準線をまたぐ曲線となる場合も要注意です。
隠れている病気としては、成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどの不足によるもの、骨の病気や染色体の病気、中には脳腫瘍が隠れている場合もあります。このほか、愛情遮断症候群や虐待などの、心理的要因が成長を妨げることもあります。

「もしかしたら」と感じたら早めに相談を

身長・体重をしっかりと成長曲線に記録して、子どもの成長を確認し、その変化に早めに気づくことで、隠れている病気の早期発見につながります。もしかしたら、と感じたら早めに子どもの成長に詳しい小児科医に相談してください。
相談の際には、健康保険証のほかに、母子手帳と成長の記録をお持ちいただくといいと思います。子どもの健やかな成長のためには、正しい生活習慣を身につけ、成長曲線を記録し、その変化に気をつけ、気になる場合は早めに相談する、これをぜひ家庭で取り入れてほしいですね。


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