低身長Short stature
身長の基準
正確に低身長というには、各年齢の標準身長から2標準偏差以下(-2.0SD)の場合を言います。
低身長の子供は、100人中2~3人ということになります。
男子
年齢 | -2.0SD | 標準身長 |
---|---|---|
5歳 | 100 | 106.6 |
6歳 | 103.7 | 113.3 |
7歳 | 109.4 | 119.6 |
8歳 | 114.7 | 125.3 |
9歳 | 119.7 | 130.9 |
10歳 | 124.6 | 136.4 |
11歳 | 129.0 | 142.2 |
12歳 | 133.9 | 149.1 |
13歳 | 140.7 | 156.5 |
14歳 | 148.6 | 162.8 |
(cm)
女子
年齢 | -2.0SD | 標準身長 |
---|---|---|
5歳 | 99.9 | 106.2 |
6歳 | 103.5 | 112.3 |
7歳 | 108.8 | 118.8 |
8歳 | 113.8 | 124.6 |
9歳 | 118.7 | 130.5 |
10歳 | 123.9 | 136.9 |
11歳 | 130.0 | 143.7 |
12歳 | 137.0 | 149.6 |
13歳 | 142.2 | 153.6 |
14歳 | 145.2 | 156.0 |
(cm)
※2000(平成12)年度 厚生省統計による
うちの子が小さいかもと感じたら
医学的には表中の -2.0SD以下の身長や伸び率が悪い場合は受診をお奨めします。
残念ながら、一般の病院では病気と診断されず、治療を受けられないことが多いのです。
また、全体の中で何番目かということではなく、その子の身長が伸びているかどうかも問題です。例えば、1年前は平均にいたのに、今は前から3番目だという場合や、同じ1番前でも2番目の子と大きく差があるときは、注意した方が良いでしょう。
あなたが、あなたのお子さんに対して、
- 「うちの子は、小さく生まれたまま、ずっと小さい」
- 「同年齢・同月齢の子どもと比べると、いちばん小さい」
- 「このごろ、どうも背の伸びが悪い」
- 「小さく産んで大きく育てる」
- 「今はちいさいけれど、そのうち大きくなる」
などと思っていませんか。
その時は放置せずに、もっと真剣にお子さんの身長に注目してください。
まず、身長・体重の記録を母子手帳、幼稚園の記録、学校の記録などから集めて、成長曲線を書いてみましょう。
成長曲線ダウンロードはこちら
→成長曲線と、現在の身長SDスコア(身長の程度を表す数字)が示されます。
以下の場合には、是非相談に来てください。
- 1.現在の身長が、-2SD以下の場合
- 2.-2SD以下でなくとも、身長SDスコアが徐々に低下している場合(お子さんの身長曲線が徐々に平均の曲線から離れている場合)
- 3.平均以下の身長なのに、男の子で11歳以下、女の子で10歳以下で身長曲線が上向きになってきた場合(お子さんの身長が、平均の曲線に近づいている場合)
3の場合は、思春期のスパートに入ってきた証です。(相対的)思春期早発症の可能性もあります。
身長SDスコアが-1SD~-2SDの場合には、現在は病気でない場合が殆どですが、今後の成長の予測も含めて、一度ご相談に来てください。
成長曲線
※成長曲線については、下記の各サイトからダウンロードができますのでご利用ください。
受診の目安・相談の時期
身長はクラスで1~2番目、時期は二次性徴開始前の小学校1年生(6歳)~5年生(10歳)までのできるだけ早い時期の受診が望ましいです。
身長の伸びる時期は限られています。中学2年~3年になってからでは遅いのです。
骨年齢が、男子は17歳以上、女子は15歳以上になると、治療効果が得られなくなります。
「この子なりに成長します」の意味は?
当院を受診される患者さんの中には、すでに成長・発達の専門医を訪ねた経験を持つ方も多く見られます。その時、医師からは「身長は低めですが、この子なりに成長します」と言われ、安心してしまったというお母様が少なくありません。
「この子なり」の意味を、標準身長と取り違えて安心してしまうのです。
しかし、現実に標準身長(男子 170cm、女子 158cm)に達することはなく、成長の最終段階である13~14歳になってから来院されることが多いのです。
こうした行き違いの原因は、多くの病院で低身長の推定原因を説明した上で、その時点で考えられる最終予測身長を知らされないことにあるのです。
低身長の原因
詳しく発育歴を調べてみると、低身長の原因のいくつかが浮かんできます。
しっかりと原因を突き止め、治療を受けなかった場合の最終身長を予測し、現時点での最良の方法を納得のいくまで主治医と話し合うことが何よりも大切です。
また、身長の発育に関しては栄養も大きな問題です。
当院では、専門の栄養士が食事の分析、偏りの補正、摂取量の増加をはかるなど、栄養面からもサポートしています。
これらの診療には、1回30分以上という十分な時間を要しますので、予約制にしています。
低身長の原因は以下のように分けられます。
- 1.成長ホルモン分泌不全性低身長
- 2.体質性低身長
- 3.SGA(Small for Gestational Age)性低身長
- 4.甲状腺機能性低身長
- 5.思春期早発症
- 6.家族性低身長
- 7.その他(染色体異常など)
SGA性低身長症は、生まれたとき在胎週数に比して出生身長や体重が小さく、2歳までに追いつき成長がみられなかったもの
体質的と考えられるものなかには、家族性低身長(父親か母親が低身長)
やそれ以外の特発性低身長(原因がよくわからない)が含まれます。
成長性ホルモン分泌不全性低身長やターナー症候群、SGA性低身長症などは、成長ホルモンで治療可能ですが、治療可能な病気は、定義で述べた低身長の子どものうち10%以下で、90%以上の低身長の子どもは、現在のところ保険診療による治療方法はありません。
初診時のお願い
予約時間より15分前にはご来院下さい。
- 出生から最近までの身長と体重のデータをご準備ください。
- (母子手帳、幼稚園、保育園、小、中、高校の健康手帳等より)
- 予約当日提出していただくもの、お持ちいただくもの
- 保険証、医療証(お持ちの方)、母子手帳、問診票、成長の記録、低身長を他院にて受診された事がある方は過去のデータ、紹介状をお持ちください。
★3歳から現在までの身長の記録
測定した年月日、測定時の年齢、月齢。グラフではなく数字表記でお願い致します。
1枚のレポート用紙にまとめて記入して下さい。(返却いたしません)
【記入例 〇歳〇ケ月・・・・〇〇㎝】 必ず〇ケ月も記入して下さい。
ご兄弟で受診される場合は1人につき1枚の記入でお願いいたします。
★ご家族の記録
- ご両親、ご兄弟、ご姉妹の現在の身長
- 父方の祖父母の現在の身長 ※お亡くなりになられている場合はご生前の記録
- 母方の祖父母の現在の身長 ※お亡くなりになられている場合はご生前の記録
- お母様の生理がきた年齢
- お父様の声変わり