コラム
Column
最終身長の予測
身体発育調査、統計的分析などから最終身長予測式は作られています。予測最終身長は次の式で計算されます。
男児の場合、父と母の身長プラス+13÷2、女児の場合は、父と母の身長の和をマイナス13÷2、これから考えられることは、両親のどちらかが非常に背が低いと、この式から得られる最終身長はそれほど大きくならないことです。
背が低いといって外来を受診する多くの子供に、実際にこの計算式を当てはめて予測最終身長を出し、数年から十数年経って実際の身長と比較してみると、どうもこの式は甘すぎ、実際の最終身長より大きな計算値を出しているようです。特に男児にこの感を強く持ちます。
最終身長に最も関連するのは両親の身長で関連係数0.66とされていますから身長に関して約7割が遺伝的要因によると言えます。
出生時に未熟児であって、生後3年までに標準発育幅内に回復していないとか、満期産であって出生時身長が小さいとか、3歳まで、食欲不振があった、大きい病気がなかったなどの遺伝以外の要素も関係します。
また大きな要因としては思春期が始まる時期があります。早く男の子や女の子になったときは一般に身長が低いことからも分かるように、男女とも思春期が始まってしまうと、それから伸びる身長はほぼ決まっているので、それまでに身長がどれだけ伸びていたかが最終身長に大きく関係すること、その出現が遅ければそれまで身長が伸び続けるので、最終身長は大きくなるのが重要な点です。いわゆる「おくて」で中3や高1で声変りした人に高身長の人がいることがこの例です。以上の様々な要因により同じ両親からうまれても、兄弟で計算式どうりに同じ身長にならないのです。
もしわが子が現在少し背が低く、前述した予測最終身長もそれほどでないなら、おそくともと男子で11歳まで、女子で10歳までに専門医の所へ今までの発育記録持参で、電話予約の上受診してみるのもよいでしょう。